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聖ペテロによって天国に導かれるベリー公

「ベリー公の大時禱書」
ベリー公の図書目録に「巨大にして、いとも美しく豪華なる時禱書」と記され、公の死後の評価で最も高価だった写本。
1413年の目録にはジャックマール・ド・エダン他の手になる全ページの大型挿絵が特記されている。記録では1488年まで存在していたがその後失われたらしい。ルーヴルにある「十字架への道」をその1枚とする説もあるが、保存状態は良くない。
残されているのは月暦装飾、28枚の小型挿絵と美しい縁飾り。ベリー公の蔵書から選ばれたモティーフを選集のように集める意図で制作されたものらしい。
月暦挿絵には「ベルヴィル家の聖務日課書(ピュッセル 1323〜26年頃)」、小型挿絵には「ベリー公のいとも美しき聖母の時禱書(ナルボンヌの祭壇飾りの画家 1380〜90年頃)」などからの図像の引用が見られ、縁飾りは「ブリュッセルの時禱書」でジャックマールの工房が使った植物紋に公の紋章や標章などを入れる方式が採られている。小型挿絵の多くは偽ジャックマールと呼ばれる画家(ジャックマールの協力者)によるが「ブシコーの画家」「ベッドフォードの画家」の参加もあるとされている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1400年代

聖ペテロによって天国に導かれる
ベリー公
「ベリー公の大時禱書」より

1409年以前 写本装飾
40×30cm(ページ全体)
フランス パリ 国立図書館
右のモノクロ画像はページ全体